嫌々やってたキャッチボール
川釣りだってさ退屈でさ
しょうがないから付き合って セ
ダンの助手席に
座っ
て
肩車ごしに見てた花火
あの日の世界は微笑んでた
夏と整髪料の匂い
小さな町に果て
ない
海
実家の塀から
飛び出た 木
の枝を鋸で切った
母と姉と妹と四人で
あんたのベッドも片した
気まずい車内と煙 ラジオと無口な
二人
あれは
高校受験の
合格発表に
向かう途中
ありがとうなんて
言えず 過ぎ去るままに過
ぎてく
日々に
行かないでと掴み
損ねたこの手を
所在もなく
合わせて
運動会ではビリをとって
どんどり山でさ 走らされて
野球部はずっとさぼってた そ
こだけあんたに似
なかっ
た
バンドのライブは欠かさず来た
良かったとも言わず 立ち去ってた
スーツは息苦しいから バ
ンドマンになったは
ずなの
に
ネクタイを締めら
れなくて 不
甲斐ない気分になったよ
「元気だか?頑張れよ」なんて ス
テージ
4が言わ
ないでよ
煙突吐き出す煙 留まることなく
空に
消えた
初夏の青空に
淀みない一筋
迷いもなく
思い出だけが
残った 実家に母だけ
一人
広い
庭の花と木々は
覚えてるだろう
か
五人で 笑った日々を
クラウン新車で
買ってあげる
温泉旅行だ
って連れてける
きっと僕は褒
められたかった
よくやったって
言って欲しかった
部屋に線香の
煙 あんたの孫も
上手に
拝む
こればかりは見せたく
ても見せられない
しょうがないよ
枯れた花はよく
生きた この庭も大分
寂れた
だけど
今も目に映るセ
ダンと桜の木
笑っていた
五人が

