ひぐらしが鳴く
夕に
いつかの今頃
を思い出すのだろう
理由(わけ)は聞け
ないよ
涙の溢れる
目を見た後じゃ
それは依然
いまだかつて
誰も見たこ
とがないようなもので
当然
縛られるな
ら 泣きたい
君のように
蜃気楼が
遠くでゆらゆら
擬人化させて
眺めていたい
優しい言葉
の花束は
古本に引かれ
た波線のよう
明日もきっと
憂鬱な日々で
ヴァン・アレン帯
の麓で眠る
君のせいでど
こか変になっ
た
通り過ぎて行く
ブルーの
夕闇が
辺りを染めたように
独特な空気
気配 匂いに
心地よく
恋をしたんだ
もう少し
だけ 君
といたいの
話がしたいの
もう少し
だけ 困
らせたいの そば
に居て欲しいの
君が僕の
生まれてきた理由
黒い髪がゆ
らゆら揺れる
青い妄想
で満たされる
あゝ
君しかい
ないの
後悔は繰り
返し
感情は伝
染していく
もどかしいどこ
か懐かしい
溶けゆくアイスク
リームの味
5時のサイレン
が響く頃 見
慣れた窓の景
色に手を伸ばす
さよならのさ
びしさを思い出す
それも幸
せだと思うのです
残酷な言葉の死体と
この時期特有の匂いと
宇宙の記憶の断片と
目を濡らすを得ない状況が
カーテンから漏れる朝日と
憂鬱な日々が朦朧と
君と見た夜に咲く花と
いつかの僕だ
もう少し
だけ 知り
たくないよ ほっ
といて欲しいよ
もう少し
だけ ここ
に居たいの 眺
めていたいだけ
勘違いが沸
かす心拍数
色褪せた青
の街になる
君の妄想
で満たされる
あゝ
どうか忘
れないで
ひぐらしが鳴く
夕に
いつかの今頃
を思い出すのだろう
理由(わけ)は要ら
ないよ
君の涙に
理由(わけ)は要らないよ
